Individual Virtual Environment and Sensor Simulation (iVESS)
個別外環境&センサーシミュレーション

シミュレーションは、特に規格適合が強く求められ課題山積の自律システム開発においては、極めて重要な開発ツールの一つです。ITKはシミュレーションの成功への第一歩はセンサーシミュレーションと考えています。ここで力を発揮するのがITKのカスタムソリューションiVESS(アイベス)です。

individual virtual environment and sensor simulation(個別外環境&センサーシミュレーション)の略称であるiVESSとは、シミュレーション技術をベースに、リアルな3D環境での検証・妥当性確認に特化して開発されたエンジニアリング・ツールです。

自動車OEMは、自社の自動車製品の堅牢性と安全性の高さを証明する必要があり、それには、何千キロにも及ぶ実車走行テストが必要となります。仮想現実での走行シナリオやシステムの知覚コンポーネントのシミュレーション能力なくしては、自動車メーカーは初歩的な証明を行うことすら厳しくなります。バリエーションが無限にある非常に複雑な運転状況をモデル化するには、新たなシミュレーション技術が必要です。

当社のiVESSソリューションは、パワフルな3Dエンジンを搭載しています。このエンジンを当社システムを支えるバックボーンとして活用することで、ドメインに関係なく無数の環境のビジュアル化や、システムコンポーネントのシミュレーションが可能となり、考えうるシナリオを全て生成することが可能です。

リアル環境のデジタルツイン化

環境シミュレーション

センサシミュレーション

インテグレーション&コシミュレーション

お客様のニーズに合わせiVESSをカスタマイズ

ゲーミング技術の開発への応用

ゲーム業界の手法やツールの強みを活かし、自動車・インダストリ・オフハイウェイ・農業・船舶業界の自律システムのV&Vを行う、ドメインに依存しないシミュレーションシステム開発を行っています。

幅広い業界のユースケースに対応

ドライバ/乗員のモニタリングシミュレーション

バーチャル環境に追加されたドライバや乗員のモニタリングシミュレーションには、カスタマイズ可能なアバター、赤外線カメラモデル、シナリオのグラウンドトゥルース情報を備えています。赤外線カメラモデルでは素材のパラメータとその反射光だけでなく調節後のカメラ設定に基づく、画像の演算処理を行います。

倉庫での自立作業車事例

このシミュレーションでは、ゲーム業界のカスタムレンダリングエンジンを使用し、ローレベルとオフジェクトレベルの合成センサデータを提供し、オープンループテストやクローズドループテストに対応したツールチェーンに依存することなく統合できる、標準化されたインタフェースを装備しています。レーダ・LiDAR・超音波・カメラなど様々なタイプのセンサシミュレーションが可能となり、このソリューションを実際のセンサに適合させることも可能です。

自律支援型海上ナビゲーション

ソフトウェアシミュレーションは、自律支援型ナビゲーションのユースケースに対し確かなメリットがあります。システム設計が容易となり、エンジニアは最適なセンサ設置場所を正確に特定することができます。さらに、センサフュージョンアルゴリズムにより、状況認識を向上させる支援機能を構築することができます。この例では、仮想センサにより、入港船舶のナビゲーション支援システムのスピーディな開発が実現されています。また、海上システムの状況認識も向上されています。

高度自動運転車

ゲーミング技術の自動車への応用:コンピュータグラフィックス関連手法をベースとしたセンサデータシミュレーションを高度自動運転車のV&Vに応用することができます。

鉄道車両衝突警報システムの事例紹介

バーチャル環境にGeoJSONデータをインポートし、実際の線路を再構築します。シナリオビルダを使用し、人と機械にとって危険な様々なシナリオに対応した独自の線路や障害物をビルドすることが可能です。レーダセンサモデルやカメラセンサモデルにより、鉄道自動運転機能に使用される知覚アルゴリズムの開発やテストに使用するローレベルデータを提供します。

iVESS導入への第一歩:

早期設計段階では、設計そのものが使用環境のコンテキストと合致しているかをシミュレーションで判断することができます。次に、設計者はセンサ位置の変更や、所定の環境に完全にマッチしたセンサ技術の適合を行うことができます。これにより、設計と周辺環境がどうインタラクションするのかをより深く理解することができます。iVESS導入により、開発のかなり早い段階でデジタル環境におけるシステムのビジュアル化を実現することができます。ビジュアル化することで、潜在的な問題点をピンポイントで特定し、プロトタイピング開始前の段階でセンサのポジショニングをテストすることができるのです。

開発段階では、実際のデータ測定値が準備できるまでに、アルゴリズムテスト用のリアリスティックなデータが必要となる重要局面が多々あります。シミュレーションで得たデータを用い、かなり早い段階でのテスト実施に加え、クローズドループでアルゴリズムを実行することも可能となります。これにより、システムの分析や最適化を行うチャンスが大きく広がります。シミュレーションの出力データを開発機能の入力値として採用するというメリットを活かし、システム開発の短縮化を実現します。

開発サイクルが終了し、本格的なシステムテスト段階に移行しても、シミュレーション結果は大きな財産として残ります。このシミュレーション結果を活用し、実際のテストで具体的に対処可能なクリティカルなケースを特定可能です。iVESS導入により、開発段階で一連の機能のクローズドループテストを実施することができます。こうしたメリットにより、作業負荷の軽減、実際の計測処理の大幅削減を実現します。

キーポイント

シミュレーションによる
時間・工数削減効果

カスタマイズシミュレーション

リアルタイムシミュレーション